フレームでの冬越し
寒さに弱い植物を冬越しさせる方法として、まず考えられるのが室内に取り込むことですが、 室内スペースには限りがありますし、部屋の中央部は日当たりが悪いという欠点があります。 また、室内に植物を多く入れると、室内が湿気るという問題点もあります。 そこで、ガラスやビニール製のフレームを使って冬越しする方法が考えられます。 フレームには箱型で外に立てるものと、半分地中に埋めて蓋が斜めに取り付けられているものがありますが、 都会では箱型のものの方が使いやすいでしょう。
園芸書などにはフレームは家の北側に置きましょうと書かれているものがほとんどです。
これは、日当たりが良い南側だと日中に暑くなりすぎて夜温との差が激しくなりすぎて、
植物によくないためです。
ただ、全く日が当たらない場所では、植物は徒長してしまいます。
「微気象」のところにも書きましたように、その地域、その家、それぞれの条件がかなり異なりますので、
冬場の気温、風の強さ、日照量、保護する植物の種類などをよく考えて、置き場所を決めましょう。
そして、うまくいかなければ翌年に新しい場所を試してみましょう。
フレームに入室する植物は、枯れ枝や枯れ葉を取り除くとともに、害虫や病気がないか十分に調べてください。
害虫や病気がある場合は、薬剤散布などでできるだけ駆除してから入室するようにしましょう。
特にアブラムシや葉ダニは小さくて見つけにくいので注意してください。
日当たりの良い昼間は必ず少し窓を開けて、空気がこもらないようにしてください。
湿気が多くて風通しが悪いとアブラムシが大発生して、たいへんなことになる場合があります。
温度を感知して、高温になると自動的に動くフレーム用の換気扇もあります。
寒冷地では暖房の必要もあるかもしれません。
そのときには温風が出てくる吊下げ式電気温風機が良いでしょう。
温風機の下には植物は置かないようにします。
フレームの大敵は風です。
フレーム自身は軽いものですから、強風では倒れたり吹き飛ばされたりします。
特にマンションのベランダから落下すると大変危険です。
春先にも春一番などがありますので、必ず十分な重さの重しなどとしっかりフレームを結んでおいてください。
また、台風の季節には、進路予報に注意して強風圏に入るようなら、
フレーム自身を一時的に室内に取り込むべきでしょう。
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