パフィオペディラム
パフィオペディラムは最近絶滅が危惧されているアツモリソウやクマガイソウの仲間で、コチョウランなどと違って着生ランではなくて、林の中の腐葉土などに育つランです。
パフィオペディラムは独特の花の形と花色のバリエーションがあり、その落ち着いた雰囲気で日本ではコレクターが多く、栽培家に愛されている洋ランです。
また、生長点培養ができないために、大量繁殖ができないのも、コレクターにとっての魅力になっています。
そのわりには、パフィオペディラムは低温にも比較的良く耐え、日陰でも育つなど、洋ラン初心者にも育てやすいのも特徴ですね。
また、花もちが良いのも魅力です。
パフィオペディラムは山野草的な雰囲気があるので、和室の床の間などに置いても違和感がなく、これからもっと普及していくでしょう。
パフィオペディラムの品種
モーディエタイプ
古い品種にモーディエという紫褐色の品種がありました。
これが現在のパフィオペディラムのもとになっています。
えらのはったいわゆるパフィオペディラムらしい花形で、最低温度10度以上で冬越しできます。
最近の品種は緑色系のものが多く、斑入り葉の美しい品種が多いですね。
丸顔タイプ
わが国を含めて近年盛んに品種交配による改良が行われて、丸い整った花形の品種が出てきました。
パフィオペディラムらしくない感じもしますが、低温に強く、最低温度7度でも冬越し可能です。
多花性タイプ
ひとつの花茎に複数の花を咲かせるタイプで、大きめの品種が多いですね。
今のところ、冬越しに最低15度必要な品種がほとんどです。
花色も地味なものが多いのですが、これからどんどん品種改良が進んでいくでしょう。
パフィオペディラムの育て方
パフィオペディラムは育てやすいとは言っても、それはコチョウランやデンファレと比較した時の話で、あくまで洋ランですから、直射日光と寒さに弱く、真冬と真夏に根腐れしやすいので、気合を入れて栽培管理する必要があります。
パフィオペディラムは花色や花形のバリーエーションが大きいので、開花株をお店で見て、購入することをお奨めします。
ギフト鉢はできるだけ早く1株ずつに植え替えるようにします。
植え替えの用土は水ごけ単用でもOKですが、ミックスコンポスト(軽石、バーク、木炭)やラン用の市販用土が便利です。
水ごけ単用の場合は必ず素焼き鉢に、ミックスコンポストなどの場合はプラ鉢に植えつけます。
パフィオペディラムは根腐れする場合がありますので、少し高植えにしましょう。
ギフト鉢以外の株は、春まで室内の温風の当たらない、最低温度を維持できるところにおきます。
レースのカーテン越しの日が当たる場所が良いでしょう。
夜間10度程度になるようでしたら、水やりは控えめにしましょう。
そのかわり、霧吹きなどで空中湿度を維持するように努めます。
パフィオペディラムは用土が過湿になると根腐れします。
花が終わったら花茎は付け根から切ってください。
春になって暖かくなってから、雨のかからない屋外に出します。
鉢底を地面につけないように棚上などに置いてください。
50%遮光し、風通しをよくすることが成功の秘訣です。
鉢土が乾いたら、しっかり水遣りしてください。
生育期間中は1月に2回くらい、薄目の液体肥料を水遣りかわりに施してください。
真夏は70%遮光し、蒸し暑い地方では液体肥料も控えめにします。
できるだけ風通しをよくし、毎日水遣りしましょう。
また、まわりに打ち水して温度を下げることも効果があります。
秋になって涼しくなったら30%遮光にして日光不足にならないようにしましょう。
水遣りのときに葉の付け根に水をためると、花芽が腐ってしまいます。
最低気温が15度になったら室内に取り込んでください。
最低温度を管理する時には
最高最低温度計で実測されることをお奨めします。
花茎が出てきたら支柱を立てて、水やりをしっかりしてください。
水不足だと花茎が短くなったり、花数が少なくなったりします。
毎年、コンスタントに開花できるようになったら、交配苗からの開花に挑戦してみましょう。
ばくち的な要素がありますが、あなただけのオリジナルのパフィオペディラムが見られるかもしれません。
PR